羅刹(らせつ)は人を食べるというバラモンの悪鬼(あっき)です。
でも、ご紹介する十羅刹女神は鬼子母神(きしもじん)の娘といわれていて、母とともに子育ての善神です。
また、法華経(ほけきょう)の守護神で、経を読む人・その教えを守る人・その教えを説く人を守り助けますが、教えを惑(まど)い悩む者には罰としてその頭を七つに割ってしまうそうです。
羅刹は夜叉(やしゃ)とともに多聞天(たもんてん)の眷族(けんぞく)になっています。ここの十羅刹女神は、江戸時代には巣鴨の総鎮守であった現在の天祖神社(てんそじんじゃ)に祀られていました。明治維新の際の神仏分離令によって福蔵寺の所属になりましたが、天祖神社に隣接した場所に置かれました。その後、福蔵寺が火災で焼失して東福寺に併合され、祠(ほこら)は1955(昭和30)年に東福寺へ移されました。
残念ながら、2体の女神は半身が幕に隠れてしまっています。真ん中の厨子(ずし)の中には鬼子母神が安置されているのでしょうか。
石碑の銘が見づらいので大きな画像(27.0KB)もご覧ください。十羅刹女神の拡大画像(84.5KB)も用意しました。
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