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洞窟の頼朝(1982年2月25日発売)
前田青邨 作 1929(昭和 4)年筆 (190.5cm×269.9cm) 大倉集古館 所蔵
 1180(治承 4. 8.)伊豆(いず)で挙兵した源頼朝(みなもとのよりとも)が最初の合戦である石橋山(いしばしやま)の戦いで平家方(へいけがた)の大場景親(おおば・かげちか)・熊谷直実(くまがい・なおざね)らの軍に大敗します。
石橋山は神奈川県小田原市南西部にある山です。
 そのとき、追手(おって)をのがれて主従7人が洞窟(どうくつ)に身を寄せた場面です。
 頼朝は再挙のため船で一時安房(あわ)へ逃れました。
安房はむかしの国名で、現在の千葉県南部です。

◎能楽の『七騎落(しちきおち)』では、船に乗る時に主従の数が源氏(げんじ)に不吉な八騎なので、頼朝は土肥実平(さねひら)に誰か一人下船させるように命じたため、実平は自分の子遠平を陸に残した、とあります。
 遠平は、翌日和田義盛(よしもり)が助け連れてきて、一同で喜びの酒宴を催(もよお)したそうです。

和田義盛が陣屋をかまえた和田山は現在哲学堂のある場所です。

【前田 青邨(せいそん)】1885(明治18)〜1977(昭和52)
 大正・昭和期の日本画家で、本名は廉造。岐阜県生れです。
 1911(明治44)梶田半古(はんこ)に入門。日本美術院で活躍、1952(昭和27)東京芸術大学教授、1955(昭和30)文化勲章を受賞など、日本画壇の長老でした。
 歴史画・武者絵などの肖像画・花鳥画など幅広く描いています。


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