2008.11.11
文責:獨 澄旻
前回、当館の後に現れたページは、五族共和と五族協和の言葉の違いに言及しているだけと述べました。
これはTVの低俗なクイズ番組の影響ではないかと考えています。
人工的に書き換えた二つの画像から違いを速く見つけるという例の安易なクイズです。
頭脳の活性化とか柔軟性とかを謳(う)い文句にしていますが、
果たしてそうなのでしょうか?
逆に悪しき思考習慣が身に付いているのではと心配になります。
クイズは違いを見つけたらそれでお終いなのです。
しかし、実際の世界では違いに気付いたときから思考が始まるのです。
そのときは違いの発見以上の収穫はないことが多いでしょう。
そして、意識下に近いところでこだわり続けていると、再び新しい発見・発想が現れるのです。
なんか、ノーベル賞を受賞した人も似たようなことを言っていたような気がします。
クイズで違いを探しているときには、しかも違いはあるという前提で、
MRIに現れる頭脳の血流は多くなるかもしれません。
一方、意識下ではMRIに現れることはないでしょう。
どちらが価値ある思考なのでしょうか? ストレスを与えれば頭脳の血流は多くなると思いますが、
頭脳の活性化や柔軟性と関係あるのでしょうか?
単に機械で測れるから、というのは淋しいですね。
今回、『百科辞書』に尊王攘夷を追加しました。
中学生のとき、まれに尊皇攘夷とも書くけれど、なんで尊皇じゃなくて尊王なんだと疑問に思ったのです。
きっと幕末以前に中国に尊王攘夷があってそれが当時の人には常識だったのではと考えて……忘れて……、
大学生になって中国の春秋時代にその言葉を発見したのです。
でも、両者の関係は分かりませんでした。今回、辞書登録するにあたって日中台のホームページを検索し、
かなりのページを見てみましたが、この件に関しても両者を同一ページで扱っているものは発見できませんでした。
当然、両者の関係は分かりません。関係ないはずはないと思うのですが……。
これもまた、インターネットで並べるのは当館が世界初かと溜め息がでました。