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五族共和と五族協和(1)
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内容とは関係ありません。


ヒガンバナ(173KB)
ヒガンバナ(彼岸花)

2008.11.11
文責:獨 澄旻

 『百科辞書』の前回の更新(2008.05.22)前にインターネットで 五族共和五族協和とを日本語・簡化字(中国)・繁体字(台湾)で検索しました。 それぞれの熟語のページは存在するのですが、驚いたことに両方の熟語の存在するページは皆無でした。 つまり、インターネット上で両者の熟語を同一ページに掲載したのは『百科辞書』が最初となります。

 ある時、それが数百ページにもなっていたので更に驚きです。 喜んで数十のページを見てみたのですが、単に違う言葉だという説明だけで、非常にがっかりしました。
 そんな事を説明する前に述べなければならない事があるはずです。 五族共和は清朝打倒のスローガンで、五族協和は満州国建国、つまり正反対の清朝再興のスローガンということです。 下手な説明をしたら知的好奇心を失わせるのではと考え、前回はあえて相互の関係に触れませんでした。 しかし、言葉が違う程度のレベルの低い説明にはいきどおりを感じ、今回(2008.11.09)は説明を追加しました。 詳しくは『百科辞書』をご覧下さい。

 ここからは私の推測です。
 五族協和の言葉を考え出した人たちは、千人針の話を知っていたと思うのです。 軍部が禁止しても禁止できなかった徴兵逃れの千人針を武運長久にして宣伝し、もとの意味を塗り替えたことです。
 つまり、当時まだ生々しかった言葉である清朝打倒の五族共和の意味を塗り替えようとしたのではないのでしょうか。 ではなぜ共和ではなく協和かということですが、共和は共和制・共和国に通じ、帝政を目指すには不都合であったからと考えました。

 実際に当時の出版物などを調査すればよいのでしょうが、 そうすればこの件だけにかかりっきりになり、『百科辞書』などがおろそかになってしまいます。
 関心のある方にお願いするのみです。


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