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辞書作りの楽しみ
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富士五湖シリーズ1/5
山中湖(75.2KB)
山中湖
1999年7月1日発行

2000.02.19
文責:獨 澄旻

 かなり以前に、マルマンからB5用26穴ルーズリーフ形式の辞書が出版されていました。もしかしたら現在も販売されているかも知れません。英和・和英・国語(かな?)の3種類でした。辞書を使ってみると、引くような単語はほとんど載っていないことが多いのです。結局、別の辞書を引くことになるのですから、役に立たないだけでなく二度手間になってしまいました。
 その中で英和だけにはページの下の部分が空白になっていて、ノートのように3行くらい罫線が引いてあったのです。なるほどと思って、鉛筆で書き込んでみました。鉛筆にしたのは、書き込めなくなった時に古いのは消せば良いと思ったのです。結果は、ルーズリーフの辞書を引き、別に辞書を引き、さらにルーズリーフに書き込むという三度手間になってしまいました。手間の分、書き込みは少なく消すまでには至りませんでした。
 でも、書き込んだ時に憶えてしまうことが多いのですが、ちょっと時が経つと「ああ、この辞書を買ってから憶えたんだなあ」とか「あれ、この単語、忘れてた」など、面白くなりまた追加したくなります。
 多分、この時に辞書作りの楽しみを覚えたのでしょう。

 既製品でも、他人のためでもない、自分のための辞書! 日々更新する辞書! これは知的でかなり楽しいことなのです。
 この楽しみを分かち合いたい、そんな気持ちから当館の辞書は、間違いの訂正だけでなく追加もできるし削除も、さらにプログラムによるデータにも加工できるようにしました。でも、せっかく努力して辞書作りをしてもそれが自分だけにしか利用できないのでは残念ですよね。良い辞書であれば他人にも使ってもらいたい、そう考えても当然です。ですから、加工した辞書・データを再配布することも可能にしました。もちろん、加工しなくたって良い辞書だと思えば、気軽にみんなにコピーして配布することもできます。
 加工した後については、加工や再配布の自由を義務づけませんでした。これは世の中の人にはいろいろな人がいることを前提にしました。加工に努力したのだから、その報酬をもとめて当然じゃないか、って私の考えとは大きく異なりますが、もっともだと思います。また、そのような考えの人からも利用する機会をうばってはならないとも考えました。一方、そんな人達とは議論をしたくありませんし……。つまり、加工した後は加工した人の責任において自由、ま、当然ですね。

 ただ困ったことに、『国語辞書』も『人名辞典』も2メガ・バイトを越えてしまいましたので、プログラムのデータとしての加工を除いて、実際に辞書作りの対象と考える方がいらっしゃるかどうか心配になってきました。ちょっと追加したくらいじゃあ、印を付けて置いたってどこに自分が追加したデータがあるのか分からなくなってしまうでしょう。もう、楽しみを分かち合えなくなってしまったのかなあ……。
 それに、今のままじゃあ、どんどん利用勝手が悪くなってきます。テキスト・データでの公開も限界に近づいて来ているように思えるのです。とても、残念ですが現在、主としているテキスト・データを打ち切った方が良いのでしょうか。悩んでいます。


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