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個人名添付について
PDD画像です。
内容とは関係ありません。


カタバミの花(キイロ)


カタバミの花(ピンク)

1999.06.21
文責:獨 澄旻

【グーテンベルク・プロジェクト】
 アメリカの大学で当館のようにPDDを収集するグーテンベルク・プロジェクトなるものがありました。
 私は英語に強くありませんから、インターネットでざっと見ただけですので、詳しくは説明ができません。ですから、グーテンベルク・プロジェクトの話は私の浅い感想でしかありません。

 初めに気付くのは、アメリカの『独立宣言』がたくさん入力されていることです。多くの人が同じ入力をしているのは、たまたまというより『独立宣言』にアメリカ国民一人々々が特別な価値を見出しているというか愛着というか、私には仏教の「写経」に通じるものを感じました。たぶん入力が終って自分の名前を添付する時の喜び・充実感は、同じ入力に従事する者として理解できます。

 しかし利用する側に立つと、今度は同じものがたくさんあるので、どれをダウン・ロードすれば良いか迷ってしまいます。また入力には間違いが混入する場合もありますから、どれが一番間違いが少ない(枯れていると表現します)か、と私は考え込んでしまいました。
 もし一つなら迷うこともないし、人の目に触れる機会もそれだけ多くなり、入力による間違いがあったとしても訂正されて枯れたデータになっているでしょう。また、Aさんの入力したデータとBさんが入力したデータとで改行など物理的な違いを除いたほかになにか基本的な違いが存在するのでしょうか。

【皆んなによる】
 で、手前ミソになるのですが、やっぱり当館のルールの方が使いやすいと感じました。当館の基本的な考えでは、データは一人で入力しても複数で入力しても、【皆んなによる】入力と考えますから、入力なさった方の名前は原則として添付されません。
 原則というのは、実は当館で保存している公開前のオリジナル・データには、ちゃんと記録されているのです。「なあんだ、また、矛盾かよ〜」と言われてしまいそうですね。ですが、これは記録しておかないと何か問い合せがあった時に困ってしまいます。一方、問い合せがあるたびに入力者にメールして確認するわけでもありません。【皆んなによる】データですから当館で処理できることは処理して、それでも処理しきれない時はオリジナル・データの入力者に尋ねようというわけです。専門家による相談者の協力があれば良いのですが、専門家はそれで報酬を受けている人でもありますから、お金もない素人の当館では、オリジナル・データを入力なさった方におすがりするしかないのです。入力なさったのなら少なくとも他の方よりも入力によって知識を持たれたでしょうし……。

【責任を持つ】
 また、当館の基本的な考え方に、「データは校正した人・加工した人」に責任を持ってもらう、というのがあります。なぜなら、当館のデータは二次利用が自由ですから、校正や加工して変更ができます。しかし、その理由・経過が分かりませんから、他の方から問い合せを当館が受けても回答のしようがないのです。つまり、当館のデータとして流布されては迷惑なのです。
 これを逆に考えると、当館の「著作権切れデータ」は当館と協力者とで校正していますから、当館のデータで他の会社や人に迷惑がかからないようにしなければなりません。
 それに個人名を添付していたら、いつまでも入力なさった人の責任となってしまいます。他人が校正や変更をしたら、それが入力者の責任にされてはたまりませんから、二次利用も禁止となってしまいます。

 なんだかんだと言っても、当館が個人名を添付しない理由の一番は使いやすさなのです。個人名添付と底本非公開とも、ほとんど同じ理由です。

 基本的な考えで明文化していないものもありますが、ここにどんどん書き留めて、そのうち(こればっかりだなあ)まとめたいと思います。それに、当館は現在データの収集を停止していたんだったっけ!
 また、長くなりましたので……、次回は何の話にしようかな。


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