ここの韋駄天像は、文禄(ぶんろく)・慶長(けいちょう)の役(えき)の際に水軍(すいぐん)を指揮した藤堂高虎(とうどう・たかとら)(1556〜1630)が朝鮮(ちょうせん)より請来(しょうらい)し安置(あんち)したものです。【韋駄天】
韋駄天は、インドのバラモン教シバ神(しん)の子といわれています。
はじめは仏教を妨害する邪神(じゃしん)でしたが、釈迦(しゃか)に帰依(きえ)してからは仏法の守護神となり、増長天(ぞうじょうてん)の八大将軍の一つとされ、四天王(してんのう)三十二将軍神では筆頭(ひっとう)に置かれています。
釈迦が涅槃(ねはん)の後、足の速い捷疾鬼(しょうしつき)が仏舎利(ぶっしゃり)から仏牙(ぶつが)(歯)を奪って逃げ去った時、これを追って取り戻したという説話から、より速い神として知られています。このことからカール・ルイスのような足の速い人を「韋駄天」と呼ぶようにもなりました。
とくに伽藍(がらん)を守る神とされ、寺院(じいん)の厨房(ちゅうぼう)などにその像がまつられています。修行僧(しゅぎょうそう)が悪魔に悩まされるときは、走り来(きた)って救ってくれます。足腰の病(やまい)を平癒(へいゆ)してくれる神として、また小児の病魔(びょうま)を除く神として信仰されています。
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