【馬頭観音(ばとうかんのん)】
六観音(ろくかんのん)の一つで、馬頭観世音(かんぜおん)とも呼ばれます。
頭上に馬頭(64.1KB)をいただいていることから、六道(ろくどう)の一つの畜生(ちくしょう)界を済度(さいど)するといわれ、馬の守護神として昔から広く信仰されています。信仰心が薄くなってしまった現代の人でも愛車のお払いに神社や寺院へ行きますが、昭和中期まで馬は乗り物としてだけでなく仕事のパートナーでもありました。
観世音菩薩三十三化身の内、唯一(ゆいいつ)忿怒(ふんぬ)の相(そう)を表しています。第三の目も持っています。普通は三つの顔(三面)で、腕は二つまたは八つ(二臂(にひ)・八臂(はっぴ))もっています。
また忿怒の相から八大明王(はちだいみょうおう)の一つともされ、馬頭明王や大力持(だいりきじ)明王とも呼ばれます。
怒りが強いほど馬頭観音の人を救う力が大きく、また馬は大食であることから人々の悩みや苦しみを食べ尽くすといわれています。
六観音 | 六道 |
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聖(しょう)観音 | 地獄 |
千手(せんじゅ)観音 | 餓鬼(がき) |
馬頭観音 | 畜生 |
十一面観音 | 阿修羅(あしゅら) |
天台宗では不空羂索(ふくうけんさく)観音 真言宗では准胝(じゅんでい)(准提)観音 | 人間 |
如意輪(にょいりん)観音 | 天上 |
神奈川県横浜市宮崎町の萬徳寺のベンジャミン馬頭観音(1997年10月14日撮影)