一般には織部形(おりべがた)とも呼ばれる石灯籠(いしどうろう)の形式の一種です。こちらは埼玉県川越市福田にある星行院の織部形灯籠です(1999年6月13日撮影)。
その独特の形から茶庭などに好んで用いられ、一説に、織部流茶道の開祖である古田織部(1543〜1615)の墓にあった灯籠の形から名付けられたと言われています。
この灯籠の竿(さお)の部分にお地蔵さまが彫られているものは、キリシタン灯籠とも呼ばれています。隠れキリシタンの人々は、表向きはお地蔵さまとして、ひそかにマリアさま(またはデウスさま)に祈りを捧(ささ)げていました。今回、ご紹介する灯籠は、島原藩主松平主殿頭(たのものかみ)の江戸下屋敷(三田千代が崎)の庭園の小祠(しょうし)にあったものだそうです。かつては火袋(ひぶくろ)などもあったと思われます。
1926.10.(大正15)ここ、大聖院に移されています。
参照: 石灯籠の名称 正雪地蔵尊
歴史関連の索引に戻る |